相続手続の完全ガイド|流れ・必要書類・期限をわかりやすく解説
家族や身近な方が亡くなられたとき、悲しみのなかでも数多くの相続手続に向き合わなければならない場面が訪れます。「何から始めればよいのか」「期限はあるのか」「どんな書類を用意すればよいのか」と、初めて経験する方にとっては不安なことが次々と出てくるものです。
相続手続は、大切な方が遺してくださった財産をきちんと受け継ぐための大切なプロセスです。戸籍の収集や遺産分割協議の進め方、各種名義変更の方法など、手続の種類は多岐にわたります。何をどの順番で進めればよいかわからないまま時間だけが経過してしまうと、気づかないうちに重要な期限を過ぎてしまうリスクもあります。
さらに、相続放棄や相続税の申告には期限が定められており、期限を過ぎると取り返しのつかない不利益が生じることもあります。全体像を把握しておくことで、いざというときに落ち着いて対応できるようになります。相続は一度きりの経験という方がほとんどであり、慣れない手続に戸惑うことは当然のことです。
本記事では、相続手続の基本的な流れや必要書類、注意すべき期限について、初めての方にも理解しやすいよう整理して解説します。愛知県名古屋市天白区を拠点とする「司法書士法人・行政書士 おしたに事務所」の業務内容もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
相続手続の基本を理解する
相続手続を円滑に進めるためには、まず「相続とはどのような仕組みか」「どんな流れで進むのか」という基本を理解しておくことが重要です。全体像を把握しておくことで、一つひとつのステップをスムーズに進めることができます。ここでは、相続の開始から全体の流れ、専門家への相談の意味まで順を追って説明します。相続の基本的な仕組みを知ることが、適切な対応の第一歩となります。
相続はどのように始まるのか
相続は、亡くなられた方(以下「被相続人」)の死亡をきっかけとして、法律上自動的に開始されます。特別な申請をしなくても、財産を引き継ぐ権利と義務が発生します。相続人が何も知らないままであっても、法律上は相続が開始している点に注意が必要です。被相続人の財産状況を早期に把握することが不可欠です。
被相続人の死亡により法律上当然に開始
被相続人が亡くなった瞬間から、相続は法律上自動的に開始されます。当事者が「相続を受けます」と宣言しなくても、民法の定めにより相続人に権利と義務が生じます。これは相続人が遠方に住んでいる場合や、被相続人の死亡をすぐに知ることができなかった場合も同様です。
プラスの財産(不動産・預貯金など)だけでなく、マイナスの財産(借金・債務など)も同様に引き継ぐことになります。亡くなられた方が多額の借金を抱えていた場合、何もしなければ相続人はその借金を引き継ぐことになります。 借金の有無が不明な場合も含め、財産状況の早期確認が大切です。
被相続人に連帯保証人としての債務が残っていた場合も、相続の対象となることがあります。このような見落としがちな債務も含めて、財産調査は幅広く行うことが重要です。まずは手元にある通帳・契約書・郵便物などをもとに、財産や負債の手がかりを集めることから始めましょう。
相続人の範囲の確認が第一歩
相続が開始したら、まず「誰が相続人なのか」を確認することが最初の作業となります。民法では、相続人になれる人の範囲と順位が定められています。配偶者は常に相続人となり、それ以外の血族には優先順位があります。
血族相続人には第1順位(子・孫などの直系卑属)、第2順位(父母・祖父母などの直系尊属)、第3順位(兄弟姉妹・甥姪)という優先順位があります。上位の順位の方が一人でも存在すれば、下位の順位の方は相続人にはなりません。相続人の範囲を正確に把握することが、その後の手続全体の土台となります。
なお、被相続人より先に子が亡くなっていた場合、その子の子(孫)が代わりに相続人となる「代襲相続」という制度があります。また、相続放棄をした人は相続人ではなかったものとみなされるため、相続人の範囲が変わることもあります。こうした複雑なケースは、専門家に早めに相談することをおすすめします。
相続手続の全体的な流れ
相続手続は、被相続人の死亡後からさまざまな手続が発生し、それぞれに期限が設けられているものもあります。全体の流れを把握しておくことで、何を優先すべきかが見えてきます。手続の全体像を把握することで、抜け漏れを防ぐことができます。
相続人調査から遺産分割までの概要
相続手続は大きく分けると、「相続人の調査・確定」「遺産の調査・把握」「遺産分割協議」「各種名義変更」という流れで進みます。各ステップが次のステップの基礎となるため、順序立てて進めることが重要です。
特に相続放棄の申述は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」、相続税の申告は「被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内」という期限があります。期限を念頭に置きながら早めに準備を進めることが大切です。また、令和6年4月から義務化された相続登記については、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
各ステップはそれぞれ並行して進めることができる部分もあります。たとえば、戸籍謄本の収集と遺産調査は同時進行で進めることができます。効率よく進めるためには、まずやるべきことをリスト化し、期限のある手続から優先的に対応していくことが重要です。
専門家に相談する意味
相続手続は、書類の種類が多く、法律的な知識が必要な場面も少なくありません。特に戸籍の収集や遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更(相続登記)などは、専門的な知識がないと対応が難しいケースも多くあります。
専門家に相談することで、手続の抜け漏れを防ぎスムーズな解決につながります。司法書士は相続登記や遺産分割協議書の作成などを得意とし、行政書士は各種書類の作成サポートを担います。税理士は相続税の申告を専門とし、複雑な案件では弁護士が対応する場合もあります。
各専門家がそれぞれの分野をカバーしているため、相続の内容や悩みに応じて適切な専門家に相談することが重要です。早い段階で専門家に相談することが、結果的に時間とコストの節約にもなります。まずは総合的に相談できる窓口を見つけることが、スムーズなスタートにつながります。相談のタイミングは「わからないことが出てきたとき」ではなく、「相続が発生したとき」が理想です。

相続手続の具体的な進め方
相続手続の全体像を把握したところで、次は具体的な各ステップを詳しく見ていきましょう。相続人の調査から始まり、遺産の把握、遺産分割協議、そして各種名義変更という順序で進みます。各手続を丁寧に進めることが、後のトラブル防止につながります。 一つひとつ確実に対応することが、最終的な円満解決への近道です。
相続人の調査と確定
遺産分割を進めるためには、まず「誰が相続人なのか」を法的に確定させる必要があります。思い込みや口頭の確認だけでは不十分で、戸籍という公的書類によって裏付けることが求められます。相続人の確定は、その後のすべての手続の出発点となる重要な作業です。法的に正確な相続人の確定が、すべての手続の前提となります。
戸籍謄本の収集
相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本を含む)を収集する必要があります。これは、被相続人に認知した子や過去の婚姻による子がいないかを確認するために必要な作業です。
戸籍は本籍地の市区町村役場で取得しますが、引越しや婚姻などにより本籍地が変わっている場合は複数の役所から取り寄せる必要があります。戸籍に記載されている情報は難解で、取得に手間がかかることも多いため、早めに着手することをおすすめします。場合によっては数十年分の戸籍を遡る必要があり、複数の市区町村に請求しなければならないケースもあります。
戸籍の取得は郵送での請求も可能ですが、往復の郵送期間を考えると時間がかかります。司法書士に代行を依頼することで、効率よく収集することができます。また、収集した戸籍をもとに作成する「法定相続情報一覧図」を活用すると、各種手続で戸籍謄本一式の代わりに利用でき、手続が簡便になります。
法定相続人の確定
収集した戸籍をもとに、法定相続人の全員を確定します。相続人全員の氏名・住所・生年月日を把握し、連絡が取れる状態にしておくことが必要です。相続人の中に未成年者がいる場合は、親権者が代理人として手続を行います。
認知症などにより判断能力が低下している相続人がいる場合は、成年後見人の選任が必要となることもあります。また、相続人の中に行方不明者がいる場合には、家庭裁判所への不在者財産管理人の選任申立てが求められます。特殊な事情がある場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。
相続人の中に既に亡くなっている方がいる場合は、代襲相続の確認も必要です。このような複雑な相続関係は、戸籍を丁寧に読み解くことで初めて全体像が明らかになります。戸籍の読み方に不安がある場合は、専門家に確認を依頼するとよいでしょう。
遺産の調査
相続人が確定したら、次に被相続人が遺した財産(遺産)の全体像を調査します。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含めて漏れなく把握することが大切です。遺産の全体像を正確に把握することが、公平な分割の前提となります。
不動産・預貯金などの確認
遺産の調査対象は、不動産(土地・建物)、預貯金、有価証券(株式・投資信託など)、生命保険、自動車、貴金属、骨董品など多岐にわたります。また、借入金・未払いの税金・連帯保証債務などのマイナスの財産も忘れずに確認することが必要です。
不動産については、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書を取得して確認します。預貯金については、通帳や郵便物などの手がかりをもとに金融機関を特定し、各金融機関に残高証明書の発行を依頼します。遺産の全体像を把握することで、遺産分割の話し合いを具体的に進めることができます。
有価証券については証券会社に照会し、生命保険については保険証券を確認するなど、財産の種類ごとに調査方法が異なります。被相続人がどのような財産を持っていたか把握していない場合でも、自宅に保管された書類や郵便物を丁寧に確認することで手がかりが見つかることがあります。金融機関の取引履歴を確認することも有効な方法の一つです。
遺産分割協議の実務
遺産の全体像が把握できたら、相続人全員で遺産をどのように分けるかを話し合います。この話し合いを「遺産分割協議」といい、相続手続の中でも特に重要なプロセスです。相続人全員の参加と合意によってのみ成立します。一人でも欠けた状態での協議は法的に無効となるため注意が必要です。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議が整ったら、その内容を「遺産分割協議書」という書面に残します。この書面は、相続登記の申請や銀行預金の払戻し手続などに必要となる重要な書類です。口頭での合意だけでは後のトラブルを招く可能性があるため、必ず書面化することが大切です。
遺産分割協議書には、相続人全員の署名と実印による押印が必要です。また、各相続人の印鑑登録証明書も添付することが求められます。書面の内容に曖昧な記載があると後々問題になる可能性があるため、財産の特定情報(不動産であれば所在地・地番・地目・面積など)を正確に記載することが重要です。
遺産分割協議書は1通だけでなく、相続人の人数分や各手続先に提出できる分だけ作成しておくと便利です。また、後から追加の財産が見つかった場合に備えて、「本協議書に記載のない財産については改めて協議する」旨の条項を入れておくことも有効です。
全員の合意が必要となる理由
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。一人でも欠けた状態で行われた協議は法律上無効となります。連絡が取れない相続人がいる場合や、遠方に住んでいる相続人がいる場合でも、全員の参加が求められます。
民法では、法定相続分(たとえば、妻と子ども2人が相続人の場合、妻が2分の1、子どもは各4分の1)が定められていますが、相続人全員が納得すればどのような分け方も認められます。全員が納得できる分割を目指すことが最終的な解決への近道です。どうしても話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停手続を利用する方法もあります。
調停でも解決しない場合は、審判という手続に移行します。審判では家庭裁判所が法定相続分に基づいて分割方法を決定します。裁判手続は時間とコストがかかるため、できる限り当事者間の話し合いで解決できるよう、コミュニケーションを大切にすることが重要です。
名義変更などの各種手続
遺産分割協議が整ったら、各種財産の名義変更手続を進めます。手続の内容は財産の種類によって異なり、それぞれ手続先も異なります。不動産は法務局への相続登記申請、預貯金は各金融機関での払戻し手続、自動車は運輸支局での名義変更、株式は証券会社での名義変更など、財産ごとに必要な手続を漏れなく進めることが重要です。
特に不動産の相続登記については、令和6年4月から義務化されており、一定期間内に申請しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。また、金融機関の手続は窓口での対応が必要なことが多く、書類の不備があると何度も足を運ぶことになります。事前に各機関へ必要書類を確認しておくことで、手続をスムーズに進めることができます。
名義変更の手続は、すべてを一度に終わらせる必要はありません。ただし、長期間放置すると新たな相続が発生したり、時効の問題が生じたりすることがあります。優先順位をつけながら着実に進めていくことが大切です。

相続手続に必要となる主な書類
相続手続では、手続の種類ごとにさまざまな書類が必要となります。事前に必要書類を把握しておくことで、スムーズに準備を進めることができます。書類の準備不足が手続の遅れにつながることもあるため、早めに確認しておきましょう。なお、必要書類は手続先や個別の事情によって変わることがあるため、事前に各機関や専門家に確認することをおすすめします。
戸籍関係書類
相続手続において、戸籍関係の書類は最も基本となる書類群です。相続人の確定から各種手続の申請まで、ほぼすべての場面で必要となります。戸籍の収集は時間がかかることが多いため、最初に着手すべき書類準備の最優先事項といえます。
出生から死亡までの戸籍の取得
被相続人の相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本を揃える必要があります。これにより、認知した子の有無や過去の婚姻関係なども確認できます。
また、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。相続人の住民票(住所証明書)も各種手続で求められることが多くあります。戸籍書類の収集は手間と時間がかかる作業であるため、早い段階から取り掛かることをおすすめします。本籍地が複数の市区町村にまたがっている場合は、郵送で取り寄せることも可能です。
以下に、相続手続で必要となる主な書類をまとめます。
| 書類の種類 | 主な用途 | 取得先 |
|---|---|---|
| 被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡) | 相続人の確定 | 本籍地の市区町村役場 |
| 相続人全員の現在の戸籍謄本 | 相続人の確認 | 本籍地の市区町村役場 |
| 相続人全員の住民票 | 住所証明・登記申請 | 住所地の市区町村役場 |
| 遺産分割協議書 | 相続登記・金融機関手続 | 相続人全員で作成 |
| 相続人全員の印鑑登録証明書 | 遺産分割協議書への添付 | 住所地の市区町村役場 |
| 固定資産評価証明書 | 登録免許税の計算 | 不動産所在地の市区町村役場 |
| 登記事項証明書 | 不動産情報の確認 | 法務局 |
| 預貯金の残高証明書 | 遺産の把握・払戻し手続 | 各金融機関 |
不動産関係書類
被相続人が不動産を所有していた場合、相続登記の申請に向けて不動産関係の書類を揃える必要があります。不動産は高額な財産であることが多く、手続の正確性が特に求められます。不動産関係の書類は登記申請に必須となるため、早めに準備を進めましょう。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書は、不動産(土地・建物)の評価額を証明する書類で、不動産所在地の市区町村役場で取得できます。相続登記を申請する際に納める登録免許税(不動産の固定資産税評価額の0.4%)の計算に使用します。
この書類は毎年4月1日以降に最新年度のものが発行されます。相続登記の申請時点で有効な年度のものを取得する必要があるため、取得時期に注意が必要です。不動産が複数ある場合は、それぞれについて取得が必要となります。名古屋市内であれば市税事務所での取得のほか、郵送請求も可能です。
登記事項証明書
登記事項証明書(登記簿謄本)は、不動産の所在地・地番・地目・面積・所有者などの情報が記載された書類で、法務局で取得できます。相続する不動産の正確な情報を確認するために使用します。
現在の登記内容を確認することで、抵当権の有無なども把握できます。 オンラインでの取得も可能で、最寄りの法務局以外でも申請できます。相続登記の申請書を作成する際には、登記事項証明書の記載内容を正確に転記する必要があるため、必ず最新のものを用意しましょう。登記事項証明書は1通600円程度で取得でき、複数の不動産がある場合はそれぞれ取得する必要があります。
金融機関手続に必要な書類
被相続人の預貯金の払戻しや解約手続を行う場合、各金融機関の定める書類を提出する必要があります。金融機関によって求められる書類が若干異なることがありますが、基本的な書類は共通しています。手続は窓口対応が多く、書類に不備があると何度も足を運ぶことになるため、事前確認が重要です。
主な書類としては、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の印鑑登録証明書、遺産分割協議書などが挙げられます。複数の金融機関に口座がある場合、それぞれに書類一式を提出する必要があります。また、金融機関によっては独自の相続届出書の提出を求めるところもあります。
被相続人が亡くなると、金融機関は口座を凍結します。この状態では、相続人であっても勝手に引き出すことはできません。正式な手続を経ることで初めて払戻しや解約が可能となります。一般的に手続の完了までに数週間程度かかることがあるため、余裕を持って手続を進めることが大切です。法定相続情報一覧図を活用することで、複数の金融機関への提出書類を効率化できます。
※上記は一般的な手続の流れを示したものであり、実際に必要な書類は状況や手続先によって異なる場合がございます。

相続手続で注意すべき期限
相続手続の中には、法律で期限が定められているものがあります。期限を過ぎると選択肢が狭まったり、ペナルティが課されたりすることもあります。期限のある手続を最優先に確認することが、相続手続を進める上での鉄則です。特に相続放棄と相続税申告の期限は短く、早めの対応が求められます。
相続放棄・限定承認の期限
相続が開始すると、相続人にはプラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も引き継ぐ義務が生じます。このような場合に活用できるのが「相続放棄」と「限定承認」という手続です。どちらも家庭裁判所への申述が必要であり、いずれも期限内に手続を行うことが絶対条件です。
原則3か月以内の申述
相続放棄とは、相続人としての地位をすべて放棄する手続であり、家庭裁判所への申述によって行います。相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないことになります。近年は、財産の有無に関わらず、疎遠な関係を理由に相続放棄を希望するケースも増えています。
この申述は、自分が相続人であることを知ってから3か月以内に行う必要があります。3か月を経過していても、特別な事情がある場合には相続放棄が認められるケースもありますので、期限を過ぎてしまった場合でも早めに専門家へ相談することをおすすめします。手続には、申述書のほか、被相続人との関係を証明する戸籍謄本などが必要です。
なお、3か月の期間内に財産の調査が終わらない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てることで、期間を延長できる場合があります。財産の把握に時間がかかりそうな場合は、早めに家庭裁判所や専門家に相談することをおすすめします。
相続税申告の期限
相続した財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納税が必要となります。相続税は、すべての相続に課税されるわけではありませんが、申告が必要と判明した場合は期限内の対応が不可欠です。
10か月以内というルール
相続税の申告・納税の期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。この期限内に申告と納税を済ませないと、延滞税や無申告加算税が課されることがあります。
相続税の申告は税理士が担当する業務ですが、申告に必要な情報(相続人の確定・遺産の評価など)の準備には司法書士や行政書士との連携が必要な場面もあります。また、相続税の計算には不動産の評価や株式の評価など専門的な知識が必要です。早い段階で税理士にも相談することが重要です。
相続税の申告には、相続財産の評価額を正確に計算する必要があります。特に不動産は路線価などをもとに評価額を算出しますが、評価方法が複雑なため専門家のサポートが欠かせません。適切な評価を行うことで、納税額を適正に抑えることにもつながります。
不動産の相続登記義務化
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記が義務化されました。これまでは相続登記に期限は設けられていませんでしたが、法改正により一定期間内に申請する義務が生じています。過去に発生した相続についても同様のルールが適用されるため、長年放置している不動産がある場合は早急に対応が必要です。
以下に、相続手続における主な期限をまとめます。
- 相続放棄・限定承認の申述:自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内
- 準確定申告(被相続人の所得税申告):相続の開始を知った日の翌日から4か月以内
- 相続税の申告・納税:被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内
- 相続登記の申請:相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内(義務)
- 過去の相続に関する相続登記:令和9年(2027年)3月31日まで
不動産の相続登記を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、相続登記がされないまま放置されると、その後の相続が発生した際に相続関係が複雑になり、手続がより困難になるという問題もあります。不動産の名義変更は早めに行うことが得策です。長期間放置されることで関係者が増え、場合によっては数十人規模の合意が必要になるケースも実際に存在します。

相続手続を円滑に進めるためのポイント
相続手続を滞りなく進めるためには、正しい知識を持ち、適切な準備と行動をすることが重要です。ここでは、相続手続をスムーズに進めるための具体的なポイントをご紹介します。事前の準備と適切な行動が、円滑な相続手続の鍵となります。
早めの準備が重要な理由
相続手続には多くの書類の収集と、複数の機関での手続が必要となります。書類の取得には時間がかかるものも多く、特に戸籍謄本の収集は本籍地が複数にまたがる場合、数週間かかることもあります。
相続が発生したら速やかに準備を開始することが大切です。 相続放棄の期限(3か月)は特に短く、財産の調査に時間を取られているうちに期限が迫ってしまうこともあります。早期に動き出すことで、余裕を持って手続を進めることができます。また、早めに動くことで専門家に相談する時間的余裕も生まれます。
相続手続が長期化すると、相続人の状況(転居・死亡など)が変わってしまい、手続がさらに複雑になるケースもあります。不動産の名義が何十年も放置されている場合、その間に相続人がさらに亡くなり、本来の相続人の子や孫が関係者となって手続が煩雑になることも珍しくありません。早期対応が複雑化を防ぐ最善策といえます。
相続人間での十分な話し合い
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なため、一人でも異議を唱えると協議が成立しません。相続人の間でこまめに連絡を取り、情報を共有しながら進めることが大切です。
亡くなられた方が遺された大切な財産です。話し合いが難航する場合でも、感情的にならず、相互に尊重しながら進めることが重要です。相続人全員が納得できる分割を目指すことが、最終的な解決への近道となります。
相続人の間で意見が食い違う場合は、まず情報を共有することから始めましょう。遺産の全体像を相続人全員で確認し、各自の希望を整理した上で話し合いを進めることが大切です。どうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所の調停という選択肢もあります。調停でも解決しない場合は、審判という手続に移行します。早い段階での話し合いが長期化を防ぎます。
亡くなられた方の「こうしてほしかった」という想いを尊重しながら、相続人全員で前向きに話し合いを進めることが理想的です。第三者である専門家に間に入ってもらうことで、感情的になりにくい環境を整えることもできます。
専門家への相談という選択肢
相続手続は、法律の知識が求められる場面が多く、慣れていない方には負担の大きい作業です。書類の作成を誤ったり、手続を漏らしたりするリスクを考えると、専門家に依頼することは合理的な選択といえます。専門家に依頼することで手続の正確性と効率が大幅に向上します。
書類作成や登記申請のサポート
司法書士は、遺産分割協議書の作成、相続登記(不動産の名義変更)の申請、相続放棄の申述書の作成など、相続手続における書類作成と登記申請のプロフェッショナルです。書類作成から申請まで一括してサポートを受けることで、手続の負担を大きく軽減することができます。
また、戸籍謄本の代行取得サービスを提供している事務所もあり、書類収集の手間も省くことができます。戸籍に記載されている情報は難解なことも多く、どの戸籍を取得すればよいかの判断が難しいケースも少なくありません。専門家に任せることで、必要な書類を漏れなく揃えることができます。
相続手続にかかる専門家への報酬は、手続の内容や財産の規模によって異なります。たとえば、おしたに事務所の手続費用の目安として、相続による不動産の名義変更は60,000円〜(実費別)、遺産分割協議書の作成は10,000円〜、相続放棄の申述は40,000円〜とされています。費用はかかるものの、手続の確実性と時間的節約を考えると専門家への依頼は有益な選択といえます。
また、司法書士には認定司法書士という資格があり、140万円以下のトラブルについては簡易裁判所での代理業務も行えます。相続に関連したトラブルが発生した場合でも、幅広く対応できる事務所に相談することで安心感が得られます。
※上記は一例であり、実際の費用や対応内容は案件の内容により異なります。

相続手続のご相談なら「司法書士法人・行政書士 おしたに事務所」におまかせください。
愛知県名古屋市天白区を拠点とする「司法書士法人・行政書士 おしたに事務所」は、相続手続に関するさまざまな法的サポートを行っています。相続登記(不動産の名義変更)から遺産分割協議書の作成、相続放棄の申述、戸籍取得の代行まで、相続に関わる手続を幅広くサポートしています。
当事務所では、戸籍の資料集めにお困りの方向けの戸籍取得代行サービスや、法定相続情報一覧図の手続代行も取り扱っています。「手元の戸籍で足りるのか確認したい」といった段階からのご相談にも対応しています。相続手続の入口で迷われている方も、まずは気軽にお問い合わせください。
また、亡くなられた方が不動産を所有されていた場合の相続登記については、令和6年4月の義務化を踏まえ、早めのご相談をおすすめしています。 過去に発生した相続で、すでに亡くなった親族の名義になっている不動産がある場合にも対応しています。放置している期間が長いほど、関係者が増えて手続が複雑になりますので、早めにご相談ください。
相続人の間での話し合いがまとまらない場合には、遺産分割協議のサポートも行っています。法定相続分の考え方や分割方法についてご説明しながら、みなさまが笑顔になれる最良の方法を一緒に考えます。
当事務所の代表司法書士は宅地建物取引士の資格も有しており、不動産に関する実務にも精通しています。相続に関連した不動産のご相談についても、宅建業者や測量士、土地家屋調査士とも連携しながら対応することが可能です。不動産の相続に関しては総合的な視点でサポートできる環境が整っています。
また、遺言作成のサポートも行っており、公正証書遺言の作成支援から、法務局での遺言書保管制度の利用を前提とした自筆証書遺言の作成サポートまで対応しています。相続が発生する前の「生前対策」として、遺言を残しておくことは家族へのトラブル防止に非常に有効です。「争続」を防ぐための準備を今からはじめることも、当事務所は全力でお手伝いします。
※実際のサービス内容、対応可能範囲、手順などは案件により異なる場合がございます。詳しくはお問い合わせください。

まとめ
司法書士法人・行政書士 おしたに事務所は、相続人調査や不動産の相続登記など、相続手続に関する法的サポートを行っています。相続は期限や書類が多く、慎重な対応が求められる手続です。本記事で紹介した流れを参考に、早めに準備を進めることが円滑な相続につながります。
相続は被相続人の死亡と同時に自動的に開始されます。 相続人の確定から遺産の調査、遺産分割協議、各種名義変更という流れで手続を進めることが基本となります。全体の流れを把握することで、落ち着いて対応できるようになります。相続人の確定には戸籍謄本の収集が必要であり、早めに取り掛かることが重要です。
相続手続には期限のあるものが複数あります。相続放棄・限定承認は3か月以内、相続税の申告・納税は10か月以内という期限を必ず守ることが重要です。また、不動産の相続登記は令和6年4月から義務化されており、3年以内の申請が必要となっています。期限を把握した上で、優先順位をつけて動くことが大切です。
相続手続に必要な書類は多岐にわたります。戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書・固定資産評価証明書・遺産分割協議書など、各手続ごとに必要な書類を正確に揃えることが求められます。早めに準備を始め、専門家のサポートを積極的に活用することが、円滑な相続への近道です。相続でお困りのことがあれば、「司法書士法人・行政書士 おしたに事務所」にお気軽にご相談ください。
